男性ホルモンだけが薄毛の原因ではない
男性の育毛を考える時、必ず出てくるのが男性ホルモンと薄毛の関係の話です。でも男性は昔から存在しています。
男性の女性化・草食系男子・精子の量が減っている・精子の活動が弱い等々発表される男性の性に関する情報から類推すると、男性ホルモンが活発だった人は現代よりも昔の人の方が多かったと言えます。
この事実から言えることは、現代は他の薄毛の原因の方が多く、毛の生育に対する影響も大きいと言うこと。もしくは男性ホルモンの働きが不活発になっているからDHTの影響を受けやすくなっているのかもしれません。
男性は昔も今も存在し男性ホルモンを分泌している
男性は、誰でも多かれ少なかれ男性ホルモンの影響を受けています。が、薄毛になりハゲていく人と薄毛にならずにフサフサの人がいます。
その上、現在の若い男性は女性化していると言われています。
にも関わらず昔よりも、今の若い男性の方が薄毛人口がどうして多いのでしょうか?昔と言っても1970年代以前の若い男性の方が男性ホルモンの分泌が少なかったのでしょうか?
男性ホルモンやフィナステリドや5αリアクターゼについては、メニューの以下のページをご参照下さい。
疑問に感じること
薄毛で悩んでいる男性に直接お会いしますが、とても男性ホルモンが優位に働いているようには見えない人たちばかりなのです。
男性ホルモンの分泌が活発な人はやはり精力旺盛です。精力旺盛な人は積極的で活動的でもあり攻撃的で元気です。
これは昔から「英雄色を好む」と言われる通りのことです。ところが、実際に薄毛で悩んでいる方にお会いすると、これらとは真逆のタイプの人が多いのです。
精力旺盛・積極的・活動的とは対極にある男性が多い
相談室にご相談にいらっしゃる人は、以下のような男性が多いです。
- うつ傾向になっている人
- 性格が真面目でおとなしい人
- ストレスに負けやすい人
- 自信がなく、他から色々言われると自信を無くしてしまう人
- 几帳面で神経質な人
- 朝立ちしない。しても弱々しい。
「活発な人はやはり精力旺盛で積極的で活動的でもある」人と比べると、正反対に感じませんでしょうか?
こんな正反対の若い男性が、「男性ホルモンの影響でどうのこうの」と言うのは理解できないのです。男性ですから全く影響はないことはないと思いますが・・・
男性ホルモンの薄毛への影響に対する疑問
- 女性の男性化は言われていますが、男性の女性化も言われています。なのにどうして若い男性の薄毛人口が増えているの?もしくは減らないの?
- 1970年代以前の20代にはほとんど薄毛の人はいなかったのに、どうして1995年前後以降の20代に薄毛人口が増えているの?今の若い人の方がテストステロンの分泌が活発で、30年前の若い人は分泌が少なかったのでしょうか?
- 昔(と言っても1970年~1980年)は50才60才以上になって薄くなっていったのに、どうして今は20代30代で薄くなっているのでしょう?
と考えていくと、どうも多くの人の薄毛の原因は男性ホルモンの影響が「主」とは考えづらいですよね。
実際上は、他の原因の方が比重が大きく色々複雑に絡んで、ホルモンの影響を受けやすくなっていると考える方が良いように思います。
一つの仮説として、「テストステロン」の分泌が少ないか不活発だから、ジヒドロテストステロンの分泌が増えて角化細胞の成長を抑制する方に働いているのではないか?」と思えるのですね。
その色々な薄毛の原因が現代社会には多いのです。
男性ホルモンに対する方法では回復しない
主の原因ではないのですから、男性ホルモンの影響に対しても毛は回復しないのです。
実際、飲む育毛剤では「最初の半年~1年2年は良かったが、そこから続かず、体調を崩したり、塞ぎこむようになったので止めた。すると飲む前よりも薄毛が進行してしまった。」とご相談者からお聞きします。
そればかりか、ホルモンのバランスを崩すのは、命と引き換えになる可能性もあり、精力低下による薄毛なんてこともあるのです。
ホルモンのバランスを崩すのは恐ろしい
女性でも無理なダイエットをしてホルモンのバランスを崩して無月経になってしまった場合には、30才代で更年期なんてこともあります。寿命が短くなっている可能性もあるのです。
テストステロンと5αリアクターゼ2型の結びつきを阻害しジヒドロテストステロンの影響を減らすと毛が増える方に働くことがあるのでしょうが、体の他の部位に悪影響が及ぶのではないでしょうか?
「若気のいたりで」と40代や50代に体を壊している人はよく言います。若い頃に体に無茶を強いていると年をとってからその後遺症が出てきます。これと同じことですから、ご自分の体を大事にして下さい。
成長ホルモンも同様です
ホルモンと言うと性ホルモンのことを思い浮かべますが、成長ホルモンの類も同じようなものです。
男性ホルモン(テストステロン)であろうが、女性ホルモン(エストロゲン)であろうが、成長ホルモンであろうが、これらを操って体に操作しようとするのは、効果があっても体への負担が大きいと思って欲しいですね。